短い話(short novel)や日記、作品についての話などを載せていきます。
星くずの渦
「ゲド戦記」感想
2007-08-26-Sun  CATEGORY: 未分類
友人からDVDが思いがけず借りられたので、ようやく見ることができました。
気になってはいたんですが。
どうだろ。

悪くない。
それなりに面白い。

けど基本的にそれだけかなあ。
個人的には「ハウルの動く城」より色々酷いと思ってしまったり。
「ブレイブ・ストーリー」と似た感触。
でもあれより酷い。

「ハウルの動く城」は原作知らずに見ても、ある程度理解できたんですよね。
ソフィーの髪の色のこととか、ハウルのとられた心臓とあの魔物?化のこととか。
いくつかひっかかっていまいち釈然としないところが多少あったにせよ、各キャラクターの行動動機やストーリーがなぜそう流れていくのか。
大体納得できた。
でも、「ゲド戦記」についてはちょっとよく分からなかった。

最初の竜は何だったんだとか、なぜアレンがああまで死を恐れ、生を厭うまでになったのか(立派過ぎる父王への劣等感?それだけでああまでになるのだろうか)、何を思って父を刺したのか、剣を奪って逃げた理由は何なのか、なぜテルーが竜なのか、テルーは一体何者だったのか、世界は結局どうなるのか、真の名ってそんなにぽんぽん渡しちゃっていいのか、テルーとアレンが打ち解けるのはいいが展開があんまり不自然だ。
そもそも生きることと死ぬことと、命の大切さ…なんてものへの答えは自分で掴むもんじゃないのか。
あんなに苦しんでいたものをあれだけで答えが得られるものなのか。
何だかすごく納得しがたい。
…何ていう不満てんこ盛り。
だったわけですが、アレンのあの凄まじい剣技とか、テルーとの抱擁とか、映像等なんかは気に入ったので、それなりに面白かったかな、になるのです。
少なくともテンポは良かったし、何だか色々足りない気はしたものの、アレン主体というのは一貫している感じだったので。

「シュナの旅」を見ればもう少し何か分かるんですかね?
繋がってるよーな、そんな噂を耳にしましたが。
しかし、原作が長編の場合、伝えたいことを伝えるためには切り取り方も相当うまくないといけないんだなと見ていて思います。
映画「ブレイブ・ストーリー」も宮部みゆきさんの作品を原作としたものですが、あれも原作を知っている人間が見ると物足りなかった。
でも、筋は通っていたし、納得できないってことはなかった。
ちょっとテンポが速すぎたような、エピソード的にはもう少し途中に何か欲しかったような感もありますが、「え、何でそーなんの?わかんねーよ!」はなかったし。
まあ、原作を知らずに見た人にすればまた別の意見もありそうですが(^−^;
ただ、原作よりかなりワタルがとろくさい子になっていたような気がします。
そんで原作よりずっとイイコイイコしてる。
原作の方が、ずっと人間臭い。
ミツルが誰を騙しても、誰を手にかけても、それがどれほどの規模であろうと形振りかまわずただ必死だったように、ワタルにも醜いところはあった。
その暗部との直面は原作では何度かあって、ミツルも抱えていた弱さを、ワタルも確かに持っていて、ミツルと同じ道を辿る可能性を彼も持っていたことが感じられるだけに、凄く生身の人間という感じが強かったんですね。
その代わり、原作よりずっと10〜11の子供という感じはしたように思います。
ワタルにしろミツルにしろ、原作ではちょっと大人びているようにも感じていたので。
まあ、それは勝手なイメージに過ぎないものですが。

ともあれ、とりあえず気になっていたものが見れたので満足。
「シュナの旅」もいつか見てみたいですね。
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本の紹介
2007-08-10-Fri  CATEGORY: 未分類
特にネタがないので、本の紹介など。

横に紹介してるものからいくつか。

トップにある、『蛍日の社』。
これは緑川ゆきさんの作品の中でも割と気に入っている作品。
表題作『蛍日の社』が一番好き。
短編集なんです。
入ってはいけないといわれる森に棲む少年と、その近所にある祖父の家へ夏休みに遊びに来ていた少女との物語。
出会いは少女がずっと幼い頃。
年頃になって二人の思いは恋へと変わりますが、それはこの先もずっと続けていくことはできないもので…。
少し悲しい終わりでしたが、それでも少女はちゃんと前を見ようとしていて。
悲しいのに、そんな明るい終わり方をしている物語なので、割と気に入っていたり。

5つ目の『呪いの黒十字』。
見た目通り、ホラー。
私はホラーは苦手なんですが、この話は倒して欲しい得体の知れないものをきっちり倒して終わっているし、ハッピーエンドなので気に入ってます。
主人公はアデルという少女。
舞台は彼女と彼女の兄の二人が住む教会。
この教会の地下には実は太古の昔から封印されているものがあったのですが、この封印が、解かれてしまい、次々と村では気味悪いことが起こるようになります。
アデルたちは教会に住んでいた為にこの騒動の渦中に置かれることとなるのですが…。
ホラーのみでなく、ラブ・ロマンスも含んでいる作品。
アデルの相手役がまたかっこよくてv
アデルの見せた芯の強さに励まされ、自分の心の弱い部分を叱咤し、自分の義務に命がけで立ち向かっていこうとする場面なんかはもう、「ああどうか」と祈らずにはいられませんでした。
物語はみんな無事、みんな幸せとはいきませんでしたが、どうかこの先は平穏な幸せが得られればと思うのです。

6つ目、『陵子の心霊事件簿』。
篠原千恵さんの作品の中で、実は一番のお気に入りかも知れない作品。『天は赤い川のほとり』や『月の影海の闇』、『闇のパープル・アイ』などの長編大作な有名どころも捨てがたいですが…。
一番しこりが残ることなく、ハッピーエンドでいてくれたという点で、『陵子の心霊事件簿』の点数が私の中ではちょっと高めなのです。
霊を引き寄せる力はやたら強いのに、祓う力のない陵子と、記憶喪失の男性の霊が憑依している白猫のポゥがメイン・キャラクター。
生きているはずなのに、記憶喪失のせいで戻る体もわからず霊体のみでさまよわざるを得なかったときに、陵子と出会い、陵子を守る代わりに体を探して貰う…というギブ・アンドテイクで二人の関係は始まります

で、体のありかのわからない彼の記憶喪失は事故か何かと思いきや、何だか裏に色々潜んでる様子で、事態は思わぬ方へ。
文庫本で2冊分の割と短めな物語で、一気に読めます。
もっとも、絵は綺麗なものの、霊体の描写(いわゆる祟ってきそうなやつ)とか不気味なので、いくら好きでも、私には恐ろしくて夜には読めません;

そしてラスト、『スノー・ドロップ』。
もとは雑誌「花とゆめ」の付録本に掲載されていたお話。
水城とあやなのもどかしい恋の進展がツボ!
なんとなく「あー、どっちも好意持ってんだな。でも二人とも素直になれないんだなー」って感じがもどかしくって、でもホントに恋の始まる頃って感じでついドキドキしちゃうんですね(笑)
あのドキドキ・ハラハラ・ソワソワ感は捨てがたいんだよなー。


…てなわけで。
紹介してる漫画の中から、特に気に入っているものをちょっとピックアップして見ました。
次は小説の中からやってみようか。
とりあえず今回はこの辺で(^−^)/
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SS『いわなかった言葉と』
2007-08-02-Thu  CATEGORY: SS
ジリリリリリリリ!
けたたましいベルが鳴り、電車が発車する。
後…、7駅で降りる駅だ。
5つ目で乗り換えて、残り2つは別の列車で進む。







この前は、彼が隣にいた。







外の景色を見るともなしに見る。
今日は、よく晴れている。
もうすぐ夏を迎える空の青が春よりも色みを増す。
今朝まで雨だったから、外に出れば濡れた緑が良く見えるだろう。
山の間を走っているので、窓には山並みと黒とが交互に顔を出す。
暗闇の中、窓に映るのは自分の顔ばかりで、トンネルに入ると早く出口に言ってほしいと切望する。
同じ見るなら山並みの方が変化があって面白い。







最後に会ったのはいつだったか。
確か、2週前。







見える景色は町並みより山や川である方が多い。
着くまでの7駅で、町が見えるのは2、3箇所。
大きな駅も、そのくらいだ。
まあ、町並みは昼より夜の方が見ごたえがあるから、そのくらいの方がいい。







故郷が同じ彼とは、よく一緒に帰省していた。
都合が合わないときはどちらか先に帰った方が駅で迎えるのが常だった。今回は彼の方が先に帰っている。







『次は、○○駅。次は○○駅。お降りのお客様はお忘れ物のございませんよう…』
車掌のアナウンスが流れる。
気がつけば後4駅だ。ボーっとしている間に随分進んでいたらしい。
もうすぐ乗り換えの駅だ。







高校の時、彼の男子校と私の女子高合同でやった交流文化祭で共に実行委員をやったのが縁で、付き合うようになった。
よく笑う朗らかな人で、私はその穏やかさを好きになった。
付き合ううちに結構頑固なところがあるとか、私の周囲では珍しい、イベントごとの好きな人だと知った。
みんなで騒げる、というのが嬉しいらしく、バレンタインも私から貰うのを待たずに、渡してきた。








ふと、暑さを認識して、少し伸び上がってブラインドを下ろした。
暇つぶしがなくなったが、もう少しで乗換えだ。
構いはしない。







ホワイトデーはどうするの、と聞いたら、また交換しようよ、とあの人は言った。
それで、一緒にどこか行こう。
あれが付き合いだして初めてのデートで、一緒に列車に乗ったのも、あの時が初めてだった。
声をかけるきっかけをもらえるから、イベントが好きなんだ。
やっぱ意気地なしかな、と呟きながらあの人は笑っていた。







乗り換えの駅で忘れ物を確認して降り、人の波間を通って、改札を抜ける。
約10分後の電車に乗り換えて、しばらく揺られたら、電車の旅は終わる。







どうしようもなく好きだ。
深い色を湛えて、かすかに口元を緩めて笑う、あの顔が。
あの顔だけは、私以外の誰にも見せなかった。
真剣な顔も好きだ。
強くて、目の離せない酷くまっすぐな視線。
触れる手が、私に話すときに少し低くなる声が、回される腕が。







在来線に乗り換える。
カタタンカタタンと緩やかな音が聞こえる。
今度の座席は影の側だったので、直射日光は入ってこない。
さっきよりは緑が良く見える。
電車に乗った頃より乾いてる。
そろそろ梅雨も明ける…。







好きだ。
好きだ。
変わらず好きだ。
今も。
ずっと。
忘れられるのはいつなのか。
思い出にするのは?
「過去」で、「大切な人」になるってなに?







うっかり乗り過ごしかけて、慌てて荷物を引っつかんで降りた。
切符を改札に通して、駅構内を出た。


















ああ、青い。
ほんとに晴天。
なのに滴が顔に当たる。
傍には樹木も電線もない。
天気雨が狐の嫁入りだなんて嘘だ。
晴天に雨。












それは、見せ掛けの。


















































さよならは言わなかった。















































またね、も言わなかった。






















































今も好き。
多分私もあなたもそう言いかけて。






















































































いつか。


















































それだけ


言った。





















































ミクシーよりちょこっと直してサルベージ。
今までに書いた中では割と気に入っている作品。
似たような雰囲気で書いてるものがupしてないやつでもう1点あるけど、こっちの方が気に入ってるかな。
そちらの方もその内upします。
もし良かったら感想ください(^−^)
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